松竹梅に鶴亀文様祝蒲団表

松竹梅に鶴亀文様
(しょうちくばいにつるかめもんよう)

本作品は、全体に松竹梅を表し、さらに中央に鶴亀を配した蒲団表。古来中国では松・竹・梅を、寒い季節にも耐えて緑の色を失わず花を咲かせるため、逆境に負けない志の高さと貞潔さを象徴するものとして、尊んだ。日本でも中国の影響を受け、吉祥文様として様々に用いたが、室町時代後期頃から三者が一緒に文様とされた。日本の自然の中でも身近であり、様々に活用される植物であったため、今日に至るまで代表的吉祥文様とされる。 また、鶴より長い齢を重ねるとされる亀も、吉祥文様として馴染みのもの。亀は地底にあり、天地を支えるといわれる。本作品では、亀の長寿を示すように、蓑亀の姿で描かれている。蓑亀は長寿の亀の中でも年を経た特に長寿の亀であり、筒描作品に登場する亀の殆どが蓑亀である。

蒲団表(ふとんおもて)

綿を包む布地。「蒲団皮」「蒲団地」ともいう。来客用や婚礼用の特別な蒲団には、筒描などを施した豪華な表地が用いられた。表地だけが解かれて保存される場合が多い。

  • 松竹梅に鶴亀文様祝蒲団表
  • 近代(19-20世紀)
  • 木綿
  • 206.0㎝×162.0㎝