丸に三ツ松紋宝尽し文様大風呂敷

宝尽し文様(たからづくし)

藍地に色挿しで宝尽し文様を華やかに散らした蒲団表。中国を起源とする宝尽しは仏法からくる法螺・法輪・宝傘・宝瓶・白蓋・蓮華・金魚・盤長の「八宝」や、その他にも吉祥とされる珊瑚、丁字、方勝、七宝、角杯、火焔宝珠、厭勝銭、銀錠など様々に組合せて用いられた。日本ではそれらにさらに馴染みの吉祥文様を採り入れていった。隠れ蓑、隠れ笠、宝珠、砂金袋、打出の小槌、宝巻、宝鍵、熨斗、分銅等多くの文様が吉祥に絡ませて採り入れられるた。本作品も上部に隠れ蓑を比較的大きく配し、そこから蓑を作る萱や管を表表す線を放射状に広げ、その上に宝尽しの吉祥文様を散りばめている。特に本作品は七福神のうちでも最も民間に親しまれた恵比寿と大黒天を象徴している打出の小槌が目に付く。打出の小槌は、振れば願いの物が手に入り願いが叶うという小槌で、御伽草子の一寸法師では鬼の持ち物とされ、また中世以降は大黒天の持物となった。また敵を「討つ」にも通じる吉祥文様とされる。

風呂敷(ふろしき)

物を包むために用いる方形の布。本来は風呂に入る時に衣類を包み、湯から上がった時に足を拭うのに用いた。

色挿し(いろさし)

筆で染料を塗り彩色すること。

  • 丸に三ツ松紋宝尽し文様 大風呂敷
  • 木綿
  • 112.0㎝×96.0㎝